画像生成AIを使っていると、「もっと細かく生成工程を組みたい」「同じ設定を何度も再利用したい」「画像生成だけでなく、アップスケールや動画生成まで一つの流れで扱いたい」と感じることがあります。そうした用途で使われているのがComfyUIです。
ComfyUIは、処理を表すノードを線でつなぎ、生成AIの処理手順をワークフローとして組み立てるノードベースのアプリケーションです。2026年現在は画像だけでなく、動画・音声・3D・テキストなど複数種類のワークフローを扱えるようになっています。
この記事では、ComfyUIとは何か、何ができるのか、初心者がどこから始めればよいかを、実際にローカルPCでComfyUIを使っている立場から整理します。
ComfyUIとは?
ComfyUIは、生成AIの処理を「ノード」と呼ばれるブロックとして配置し、それぞれを接続してワークフローを作るアプリケーションです。一般的な画像生成UIのように設定項目を一画面で入力するだけでなく、「モデルを読み込む」「プロンプトを処理する」「サンプリングする」「画像へ変換する」「保存する」といった工程を個別のノードとしてつなぎます。
最初は複雑に見えますが、処理の流れが見えることが大きな特徴です。どのモデルを使い、どの処理をどの順番で通しているのかを視覚的に把握しやすく、慣れると細かな調整や再利用がしやすくなります。
Stable Diffusion専用のUIではない
ComfyUIはStable Diffusion系の画像生成で広く知られていますが、現在はそれだけに限定されたツールではありません。公式では画像・動画・音声・3D・テキストを含むワークフローをノードグラフで構築できる環境として案内されています。
ComfyUIでできること
画像生成
もっとも基本的な用途は画像生成です。対応するモデルを読み込み、プロンプト、画像サイズ、サンプリングなどの処理をノードとして組み合わせて生成します。Text-to-Imageだけでなく、既存画像を利用した処理、マスクを使った修正、参照画像を利用する処理などへ発展できます。
画像編集・inpainting・outpainting
ComfyUIには、マスクや合成、inpainting、outpaintingなどを使った画像編集系の処理も組み込めます。単なる色調補正ソフトというより、生成AIを使った画像処理工程を組み合わせられる点が特徴です。
動画生成
ComfyUIは動画生成ワークフローにも対応しています。現在は動画を直接扱うノードやテンプレートもあり、対応モデルに応じた動画生成・動画処理をワークフローとして組めます。「静止画をフレームごとに作ってつなぐだけ」のツールではありません。
アップスケール
生成した画像や動画を高解像度化するアップスケールも代表的な用途です。「画像生成 → アップスケール → 保存」という処理を一つのワークフローとして構成すれば、同じ手順を毎回繰り返す必要がありません。
LoRAを組み合わせた生成
ComfyUIではLoRAを読み込み、生成モデルへ適用するワークフローも作成できます。LoRAは単なるUIの拡張機能ではなく、ベースモデルへ追加の特徴や傾向を与えるために利用される追加学習データの一種です。複数のLoRAや他の処理を組み合わせる場合も、どこで何を適用しているかをノードとして確認できます。
ComfyUIを使うメリット
ワークフローを保存して再利用できる
ComfyUIではワークフローをJSONとして保存・読み込みできます。同じ生成工程を何度も使う場合、一度作った構成を再利用できるため、毎回ゼロから設定する必要がありません。対応する生成メディアからワークフローやseedを復元できる仕組みもあります。
処理の流れが見える
各処理がノードとして分かれているため、「どのモデルを読み込み、どこでLoRAを適用し、どの処理を経て保存しているか」を追いやすくなります。複雑な生成工程ほど、この可視性が役立ちます。
ローカル環境で実行できる
ComfyUIはローカルPCで実行できます。ComfyUI本体のコア機能はオフラインでも動作でき、必要なモデルやノードを事前に用意していれば、生成処理をPC内で完結させる構成も可能です。ただし、モデルの取得、更新、外部APIを利用するノードなどではインターネット接続が必要になる場合があります。
自動化や繰り返し生成へ発展しやすい
処理をワークフローとして構築するため、同じ工程を繰り返したり、複数の処理を連続させたりする用途と相性があります。Melunicaでも、ローカルPC上のComfyUIを使い、画像生成・動画生成・LoRA・アップスケール・ワークフローを使った生成などを試しています。
初心者が戸惑いやすいポイント
最初は画面が複雑に見える
初めて開いたとき、多数のノードと接続線を見て難しそうに感じるかもしれません。しかし、最初からすべてのノードを理解する必要はありません。まずは基本的な画像生成ワークフローを動かし、「入力 → モデル → 生成 → 保存」という大きな流れを把握するだけでも十分です。
GPU・VRAMによって快適さが変わる
生成AIではGPU性能やVRAM容量が、生成速度や扱いやすいモデル・解像度などに影響します。ComfyUI自体にはさまざまなハードウェアで動かす選択肢がありますが、実用的な画像・動画生成ではGPU環境が重要です。必要なVRAM量はモデルや解像度、ワークフローによって変わるため、一律の数値では決められません。
GPU選びについては、Melunicaの「ローカルLLM用GPUの選び方」でもVRAMの考え方を解説しています。用途は異なりますが、生成AI用PCでVRAMを考える際の参考になります。
ワークフローごとに必要なモデルやノードが違う
公開ワークフローを読み込んでも、自分の環境に同じモデルやカスタムノードがなければ、そのまま動かない場合があります。初心者のうちは、必要なモデルやノードが少ない基本ワークフローから始める方が、問題の切り分けがしやすくなります。
ComfyUIを始めるために必要なもの
ComfyUIを動かすPC
まずComfyUIを実行するPCが必要です。公式ではWindows・macOS向けの導入方法に加え、手動インストールによって複数のOSやGPU環境を利用する方法が案内されています。GPUがなければComfyUIそのものが起動できない、というわけではありませんが、生成AIモデルを実用的な速度で扱うなら対応GPUを搭載したPCが一般的です。
使用する生成AIモデル
ComfyUIは生成AIモデルそのものではありません。ComfyUIという実行環境に、使用したいモデルを組み合わせて使います。どのモデルを使うかによって必要なファイル、VRAM、ワークフローが変わるため、最初は公式テンプレートや基本構成から試すのがおすすめです。
初心者におすすめの始め方
- ComfyUIを導入する
- 使用するモデルを一つ用意する
- 基本的な画像生成ワークフローを読み込む
- プロンプトを変更して画像を生成する
- 生成できたワークフローを保存する
- アップスケールやLoRAなどを一つずつ追加する
最初から動画生成や大量のカスタムノードを組み込むより、この順番で進めた方が何か問題が起きたときも原因を切り分けやすくなります。
ComfyUIでできることを広げる方法
画像生成と後処理を一つにつなげる
基本的な画像生成に慣れたら、「生成 → 修正 → アップスケール → 保存」のように工程を追加していきます。これがComfyUIらしい使い方です。
LoRA・ControlNet・各種モデルを組み合わせる
ComfyUIではLoRAだけでなく、ControlNet、各種アダプター、アップスケーラーなどをワークフローへ組み込めます。必要な処理を少しずつ追加することで、目的に合わせた生成環境へ発展させられます。
動画生成へ広げる
画像生成の基本を理解した後は、動画生成ワークフローへ進むこともできます。動画は画像より計算負荷や処理時間が大きくなりやすいため、最初は短い生成や公式テンプレートなどから試す方が扱いやすいでしょう。
自動化・大量生成へ発展させる
ワークフローを安定して再利用できるようになると、同じ構成で条件を変えて複数生成したり、生成後の処理まで連続実行したりする方向へ発展できます。
Melunicaでは「ローカルLLMで何ができる?活用例」も紹介しています。ComfyUIとローカルLLMは用途が異なりますが、どちらもローカル環境で生成AIを活用する選択肢として使い分けられます。
まとめ
ComfyUIは、生成AIの処理をノードとしてつなぎ、ワークフローを構築できるアプリケーションです。画像生成だけでなく、画像編集、動画、音声、3D、テキスト、アップスケールなど、対応範囲が広がっています。
最大の特徴は、生成工程を視覚的に組み立てて保存・再利用できることです。最初は複雑に見えますが、基本的な画像生成から始め、一つずつ処理を追加していけば理解しやすくなります。
今後Melunicaでは、ComfyUIのインストール方法や基本ワークフロー、LoRA、アップスケール、動画生成なども実際の環境を使いながら順次解説していく予定です。
次に進む場合は、ゲーム・TRPG用の背景素材の選び方も参考にしてください。

